早期胃がんは赤・白・黄色①
早期胃がんの色は赤いもの、白いもの、黄色いものがあります。
まずは下の写真をご覧ください。皆さんはどこに胃がんがあるかわかりますか?
この中に、5㎜程度の早期胃がんが存在していますが、この時は私も胃がんに気が付きませんでした。当院では、胃がん見逃し防止のために白色光(通常見える色調)検査の後にNBI観察(特殊光で病変をより明確にする観察技術)を行い、その上で青色色素を散布して細心の注意を払って検査しています。
NBI観察をすると白色光ではわからなかった早期胃がんが薄茶色に浮かび上がってきました↓。NBI観察でがんを疑う所見です。
次に病変部をすぐさま拡大観察すると、専門用語で「デマルケーションライン陽性、微小表面構造異常陽性、微小血管構造異常陽性」を認め、がんと診断されます↓。
もう一度白色光で同部を詳細に観察すると、病変は黄色みを帯びて見えてきました。黄色いがんは除菌後の荒れた胃によく見られるがんで、最も見落としやすいものであります↓。
早期胃癌を見つけるAI診断の現状
医療の世界においてもAIの応用が始まっています。現状では病変を探し出したのち静止画で癌と非癌の診断を行うのに対し、AIM社はリアルタイムで悪性病変を探し出すことのできる内視鏡AIの開発研究を行っております。この機器の診断能力は現在エキスパートのそれに近づいており完成すれば同等もしくはそれ以上になるもと期待されています。これにより患者さんはどこの医療機関で検査を受けても、がんセンターの熟練した医師に検査を受けるのと同等の質を保証され、安心して検査を受けられるようになるでしょう。1日でも早い完成を目指しあつぎ内視鏡・内科クリニックはこの共同研究に参画をしています。
まずは下記の動画をご覧ください。
※画面左が内視鏡AIのモニター画像
AIの目的の一つに経験の浅い内視鏡医でもエキスパート同様に小さな胃がんを発見できるようにすることが挙げられます。
診断:0-1型早期胃がん
大きくても見逃しやすいポリープ
見逃しやすいポリープ
下記写真の中にポリープを発見しました。皆様にはわかりますか?
ポリープを画面中央に持ってきました。これならお分かりになりますか?
下記画像が正解です。ポリープの位置を具体的に把握するためにインクを撒きました。インクを撒くとポリープの位置が浮かび上がってきます。下記画像は小さいですが、腺腫です。※インクは体に無害な液体を使用しています。
治療としてポリープを切除します。
治療中です。今回はコールドポリペクトミーを行いました。
切除完了です。
正解はここでした!