あつぎ内視鏡・内科クリニック 〒243-0018 神奈川県厚木市中町3-12-1 厚木国際ビル7F TEL:046-223-4976

慢性胃炎

慢性胃炎とは

胃炎は慢性胃炎と急性胃炎に分かれます。このうち慢性胃炎とは、原因となる特定の病気がないにもかかわらず、胃の粘膜の炎症が長く続いている状態のことをいいます。多くの場合は、ヘリコバクター・ピロリ菌という細菌への感染が原因だと考えられています。
日本人の場合、約70%の人が慢性胃炎であるといわれています。その多くは、胃の粘膜が薄くなってしまう萎縮(いしゅく)性胃炎です。

一方の急性胃炎は、何らかの原因を伴って短期間で発症したもののことをいいます。たとえば、強いストレスや刺激の強い飲食物、解熱鎮痛薬などのお薬、細菌などへの感染などがその原因となります。

慢性胃炎の原因

かつての慢性胃炎は、原因不明あるいは加齢に伴う現象であると考えられてきました。しかし、ヘリコバクター・ピロリ菌が発見された後、慢性胃炎との関係性が明らかとなり、現在では慢性胃炎の大半はヘリコバクター・ピロリ菌の感染によるものであるということが分かっています。

通常の菌は、胃の中に入っても強力な胃酸によって生きながらえることができず、すぐに死滅をしてしまいます。しかし、ヘリコバクター・ピロリ菌は特殊な酵素を持っており、アンモニアを発生させることができます。これによって胃酸から身を守り、生きながらえていくことができるのです。
慢性胃炎のまま放置していると、大多数は慢性胃炎のままですが、数%の人は胃潰瘍や十二指腸潰瘍になります。ごくわずかですが、胃がんになる人もいます。
ヘリコバクター・ピロリ菌に感染していても、すぐに胃がんになるわけではありませんが、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染して慢性胃炎となり、この状態を無症状だからといって放置し続けると、胃の細胞が萎縮し、萎縮性胃炎となります。この萎縮した胃の細胞が将来的にがん化する可能性があるため、注意が必要なのです。

慢性胃炎の症状

慢性胃炎の症状の多くは、みぞおちの痛み、胃部不快感、吐き気といった上部の消化器症状です。胃部不快感としてよく見られるのが、胃のむかつき、むねやけ、胃もたれといった症状です。これらの症状は胃潰瘍や胃がんなどでもみられることがあります。
また、すべての方に症状が出るというわけではありません。無症状であるために慢性胃炎となっていることに気づかず経過していき、検査などで指摘される場合もあります。

慢性胃炎の種類

慢性胃炎にはいくつかの種類がありますが、代表的なのは、ヘリコバクター・ピロリ菌が原因となるヘリコバクター・ピロリ菌感染胃炎と、自己免疫が関係するA型胃炎です。

ヘリコバクター・ピロリ菌感染胃炎

慢性胃炎のほとんどが、ヘリコバクター・ピロリ菌感染胃炎です。胃の出口(幽門)付近である前庭部を中心に炎症が起こり、胃体部(胃の中心あたり)へと炎症が進んできます。ヘリコバクター・ピロリ菌に感染した状態が続くと、胃の粘膜は萎縮し、萎縮性胃炎という状態になります。

A型胃炎

1973年に提唱された特殊型の胃炎のことで、別名「自己免疫性胃炎」ともいいます。自己免疫性という言葉が付く通り、自分の免疫が胃の細胞を壊してしまい、胃炎が進んでいく状態です。
ヘリコバクター・ピロリ菌感染による慢性胃炎の場合には前庭部に萎縮が見られますが、A型胃炎の場合は逆で、胃の中心である胃体部あたりに強い萎縮が見られるという、特徴的なパターンがあります。 A型胃炎は特殊な胃炎です。血液中には自己抗体がみられ、悪性貧血(ビタミンB12が吸収できずに起こる治りにくい貧血)にもなるタイプです。

慢性胃炎の治療法

まずは、検査をして慢性胃炎であるかどうかを調べる必要があります。慢性胃炎の検査としては多くの場合、上部消化管内視鏡検査を行います。胃粘膜の状態や色調などを観察します。必要に応じて、胃の細胞を採取する「生検」による組織学的な検査を行います。
さらにもう1つ行われるのが、ヘリコバクター・ピロリ菌検査です。この検査は専用の検査薬を服用した後に専用の袋に呼気を集めて検査する方法や、血液あるいは糞便を採取してその中にいるヘリコバクター・ピロリ菌を調べる方法などがあります。

尚、慢性胃炎には根本的な治療方法がありません。症状がない場合には治療をせずに経過を見ていくこともあります。
しかし、ヘリコバクター・ピロリ菌感染が原因である場合は、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療を行います。

 

薬物療法

症状がある場合には、対処療法として胃酸分泌抑制薬、胃の粘膜を保護する薬、消化管運動の機能を改善する薬を使用していきます。

ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌

検査にてヘリコバクター・ピロリ菌の感染が確認できた場合には、薬物療法にて除菌治療を行います。薬物療法による除菌率は、約90%と推定されています。

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